マタタビ
学名:Actinidia polygama (Siebold et Zucc.) Planch. ex Maxim.
科名:マタタビ科マタタビ属
用部:虫こぶ
生薬名:木天蓼(もくてんりょう)
用途:冷え性、神経痛、リウマチ、腰痛
説明文:
各地の山野に自生する落葉性つる性木本で雌雄異株。高さ5mほど。6~7月、梅の花と似た香りのよい白色5弁花を開く。花が咲く頃、茎の先端部分の葉が白く変色し、白い花が咲いているように見える。花が終わると、白変は消える。実は秋に熟れ、長さ約3cmで先が尖り、ドングリの形に似ている。しかしほとんどの実に虫えいができて、四角や五角に変形したものが多い。果実にマタタビノアブラムシが寄生して虫こぶ状になったもの(虫えい)を木天蓼と呼んで、薬に用いる。この木天蓼は、身体を温め、血行を良くする。虫こぶは秋から初冬にかけて採取し、熱湯か蒸気にて熱処理して中の幼虫を殺し、その後乾燥させ、粉末として服用したり、焼酎につけて薬酒とする。正常な実は塩漬けや果実酒などにして食用にするが、薬効はほとんどない。暑がりの人や、手足がほてる人、患部に熱があるときは服用しない。疲れきった旅人がこの実を食べて疲労回復し、元気百倍、又旅(マタタビ)ができるのでこの名があるという。「猫にマタタビ」という諺があるが、猫が特徴的な恍惚状態になることで知られる。
薬草の詩:
夏には花を下向きに咲かせ葉が半分白くなっている時にはよく目立ちますが、いつの間にか葉の色が元に戻ってしまいます。薬用には実を使うのですが、虫がついて「虫こぶ」の ものがよく、正常なものでは薬効がうすいと言われています。不思議です。採取した実は軽く煮沸して殺虫してから日干しにしますので、ご安心を。猫にマタタビで、猫の万病薬としても有名ですね (正)