クサスギカズラ
学名:Asparagus cochinchinensis (Lour.) Merr.
科名:キジカクシ科 クサスギカズラ属
用部:根の肥大部
生薬名:天門冬○局
用途:咳止め、疲労回復、強壮
代表的な漢方薬:清肺湯、滋陰降火湯
説明文:
本州~沖縄に分布。海岸の砂地や岩上に生える多年草。山中で見られることもあり、かつてその地が海岸であったことが示唆される。茎の下部は木化し、上部はややつる状、葉状枝(葉のように見える部分)が杉の葉に似ていることから草杉蔓の名が付いた。5月頃に葉腋に淡い黄色の花を1~3個つけ、秋には同色の丸い実が生る。根は天門冬という生薬となり、潤いを補う作用がある。特に肺・呼吸器系の炎症に用いられる他、糖尿病などの口渇を伴う病などにも効果があると言われている。民間でも薬酒や蜜丸にして疲労回復、強壮に利用される。また、若芽や塊根を食用とする他、果実も焼酎に浸けた薬酒となる。
薬草の詩:
熊本市から転勤してこられた某会社の役員さん、薬用酒を作るのがご趣味で、既に自宅の応接関に100本近く飾つてあるとのことです。クサスギカズラが次上浜ぞいにたくさんありますよと教えて頂きました。
根のふくらみを「天門冬」といって、乾燥するとアメ色になり、見るからに栄養に富んだ色です。「清肺湯」という処方に用いられ、黄色い疲がなかなか止まらない人に使用される処方です。 (竜)