キンカン

学名:Citrus japonica Thunb.
科名:ミカン科 キンカン属
用部:果実
生薬名:金橘
用途:咳止め、健胃、疲労回復

説明文:
中国原産の常緑低木。金柑の名の通り11~12月に黄金色の実をつけ、これを食用、薬用とする。生薬名は金橘。実が小さく葉にも精油成分を含むなど、ミカン属と比べて異なる特徴を持っているため、現在は独立した属に分類されている。果肉は酸味が強く、果皮に甘味を多く含むため、皮ごとあるいは皮のみを食用とする。生食する他、甘露煮や砂糖漬け、金柑湯や果実酒などの加工品にも利用される。他の柑橘類と同様に、ポリフェノールの一種であるヘスペリジンや免疫力を高めるビタミンCを含み、咳止めや風邪、疲労回復などに用いられる。

薬草の詩:
少年の日、母屋から道路に出る短い切り通しの両サイドに、数本のキンカンが植えてあり ました。霜の降りるころ、きまって傘がさしかけてありました。冬の陽ざしを浴びて輝くキンカンの果実に、そんな少年の日の風景を重ねてみます。
それはきまって植え込みの中で、かさこそ動いていた祖母の後ろ姿でもありました。  (双竜子)

Previous article

ギシギシ

Next article

クサスギカズラ