鹿児島県民の皆様へ

 新型コロナウイルス感染症の流行が始まって半年以上が過ぎました。未だに終息する気配はなく、連日感染者数が発表され、ニュースやワイドショー等では有効な感染対策について紹介されています。常に新しい情報を収集し、知識を得ることはとても大切です。皆様が関心をもって感染拡大防止に取り組んでいただいていることに感謝申し上げます。
 しかし、その情報により困った事態に陥ることもあります。今年の3月ごろ、誤った情報によりトイレットペーパーが一時的に品薄になったことを覚えておられる人も多いと思います。つい先日も同様の事態が発生しました。ポビドンヨード含有うがい薬が新型コロナウイルス感染症を予防し、重症化を防ぐといった報道があり、あっと言う間に鹿児島県内の薬局・ドラッグストアでも売り切れになってしまいました。その後、訂正の会見などもあり、大分落ち着いたようですが、急激な需要の拡大で、供給が間に合わなくなり、必要としている医療現場で不足するという事態を招いてしまっています。
 県内でも感染者数が300名を超え、不安や緊張が高まっています。テレビ等で「効果があるらしい」と聞けば、「試してみたい」というお気持ちになってしまうのは仕方のないことかもしれません。しかし、それが正しい情報なのか一度立ち止まって考えてみることも必要ではないでしょうか。感染症に対する基本的な対策は「手洗い・うがい・咳エチケット」であることを私たちは昔から教わり、守ってきています。様々な情報がありますが、医薬品や感染予防等の公衆衛生について、気になることがありましたら、ぜひお気軽にかかりつけ薬剤師・薬局にご相談ください。

 鹿児島県薬剤師会会員の薬局では、引き続き、従業員の健康管理や薬局内の感染対策をしっかりと行い、皆様に安心してご利用いただけるよう努めてまいります。薬局にお越しの際は、密閉・密集・密接を避けるため、マスクの着用や他の来局者との距離を保つようにお願いします。また、混雑時には入場制限やお車での待機をお願いすることがあるかもしれません。ご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

                        令和2年8月21日
公益社団法人 鹿児島県薬剤師会
会長 上野 泰弘

ポビドンヨード含有うがい薬について