公益社団法人 鹿児島県薬剤師会

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桜島火山爆発総合防災訓練(図上訓練)2019/11/7

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昨日、鹿児島県庁で桜島火山爆発総合防災訓練(図上訓練)が実施された。

当会災害対策員から数名、その視察に行った。

訓練想定は、桜島噴火警戒レベル 4 ⇒ 5。

 *参考:桜島噴火警戒レベル

レベル 火山活動の状況 住民への対応 想定される現象や過去事例
5 避難 居住地域に重大な被害をもたらす噴火が発生、または切迫している 全島の避難勧告、指示 大正噴火などの全島に影響する溶岩流や火砕流、噴石飛散
危険な居住地域の島内または島外避難勧告、指示 昭和噴火のように一部居住地域に溶岩流や火砕流が到達、または切迫
居住地域に噴石が飛散
4 避難準備 居住地域に重大な被害をもたらす噴火が発生する可能性が高まっている

全島の島外避難準備情報。災害時要援護者は避難開始

噴火活動が高まり噴石や火砕流、溶岩が居住地域に達するような噴火の発生が予想

警戒が必要な居住地域で島内または島外避難準備情報

大正噴火前日の有感地震多発や昭和噴火の溶岩流出前の噴火活動の活発
3 入山規制 居住地域近くまで影響を及ぼす噴火が発生、または発生が予想される 状況に応じて災害時要援護者に島内または島外への避難準備の呼び掛け 火口から半径2キロ以内で噴石の飛散や火砕流が到達
2 火口周辺規制 火口周辺で影響のある噴火が発生、または発生が予想される 火口から半径1キロ以内で噴石の飛散
1 平常 火山活動は平穏。火口内で火山灰の噴出などが見られる 1950年~55年のうちの静穏期

自治体(姶良、垂水、霧島、鹿児島)、県警、消防、自衛隊、海保、京大(地震研)、気象台、医療関係機関(DMAT)、国機関(国交省)、その他公共機関(桜島火山防災協議会構成機関)等が、付与されたシナリオに基づき、それぞれの役割と他関連機関との連携訓練に取り組んでいた。

外国人相談チームは、今年から設置された。

マスコミ取材、模擬記者会意見等も開かれた。

さて、各チームがクロノログラフを作成していたが、その情報のまとめ方にもそれぞれの個性が出ていた。

DMATはさすがに年間を通じて何度も訓練しているだけあり、クロノログラフの書き方、情報量ともに群を抜いていた。

ある自治体のクロノログラフは、要点が項目ごとにまとめてあり、非常に見やすかった。

会場の中央には、災害対策用の大きな地図が2枚用意され、一枚は状況変化、もう一枚には対応などを刻一刻と記録するようになっていたが・・・

実際には、各チームとも対応に追われ、そこまで手が回っていなかった。

評価者が気を利かして色々書き込んでいたが・・・

情報収集分析チームにそれなりに大勢の人がいたので、彼らが本来担当すべきことであったかもしれない。

シナリオは、警戒レベル4 ⇒ 5であり、実際に爆発が起こる手前。

その間にどの程度、関連機関で避難準備等の対応ができるかが訓練の目的。

京大地震研の井口先生が、火山災害への対応のポイントなどを講評で述べられていたが、実際の災害は容赦ない、急激な状況変化にどれだけ即応できるか。

1月には、桜島火山爆発避難実地訓練も実施される予定。

都合がつけば、それも見学し、薬剤師の活動はどうあるべきか、実働研修の構想などを考えたい。

訓練終了後、桜島が元気に噴煙を上げていた。