公益社団法人 鹿児島県薬剤師会

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global DROの記載情報って、世界共通ではないの (・・? Σ(゚Д゚)

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先日、ミティキュアの使用可否について掲示板に記事をUPした。

http://kayaku.jp/pha/6242/

ミティキュアのインタビューフォームを利用し海外での販売状況を確認し、当該商品が販売されているカナダのglobal DROでの検索結果を示した。

その後、体育協会を通じて、あるいは選手本人からシダキュアの使用について問い合わせが複数寄せられたため、ミティキュアと同じ手法を利用しようと考えた。

しかし、スギ花粉症が日本特有の疾患であるのか、海外でのシダキュア相当品の販売はなく、ミティキュアと同じ方法は適用できなかった。

それで終わるのは、悔しいので、カナダのglobal DROをpollen(花粉)で検索したところ、いくつかの製品がヒットしてきた。

そのいずれもが、使用可能とされていたことから類推し、スギ花粉抽出物も「おそらく使用可能」との判断をした。

問い合わせに対して「おそらく使用可能」と回答したものの、競技者に不利益(ドーピング違反)があってはならないので、念のため日薬に問い合わせてみた。

日薬からは、次のような回答(公式見解)が寄せられた。(想定の範囲内であるが)

1.シダキュアスギ花粉舌下錠(製造販売:鳥居薬品)
(有効成分:スギ花粉エキス原末)

上記1は、成分として植物由来成分を含み、そのすべての詳細な内容成分が把握出来ないため、判断が困難です。
ドーピングのルール上は、禁止物質を含まない単一成分の西洋薬の使用が優先されます。

回答の根拠は、某県薬から日薬に寄せられた「カナダサイトではミティキュアダニ舌下錠、アシテアダニ舌下錠が使用可となっているのはなぜか」との問い合わせに関して、日薬がJADAに確認した際の回答(次に示した)にあると考えられる。

・ミティキュアダニ舌下錠
・アシテアダニ舌下錠

 上記の2商品については、動植物等からの由来物や抽出物となり、すべての含有物質が明らかになっているわけではありませんので、これらの2商品が禁止物質を含まないという確認はできません。
 また、Global DRO上においてカナダサイトに限り検索できる背景としては、その国の国内事情を鑑み管理サイト主幹となるカナダの責任において掲載しております。
 通常は検索できません。

それらの回答を受け、問い合わせ者に、本日、体育協会を通じて、あるいは、個人宛に回答の訂正を送った。

国によって掲載情報が異なってしまうとglpbal DROの運用理念の一部が崩れてしまうことになる。

JADAは、常々、DROは世界共通(WADAの禁止表は世界共通)と言っているのだが、そこに矛盾が生じてしまう。

それによって、最終的には、医薬品を使用している選手(患者)が不利益を被ることになる。

そうは言うものの、日薬やJADAへの確認を怠って回答し、結果的に動揺(不安)を与えてしまうことになった責任は、私にある。

大変申し訳のないことだと思っている。

せめてもの救いは、問い合わせ者の出場する国体競技がまだ開催されていないこと・・・

今年は、JADA認定商品に始まり、いろいろと、JADAには振り回されっぱなし。

来年は、もっと、大変なこと(問い合わせ数が増えて、あれこれ調べるのに手間をとられ、おまけに、神経をすり減らす)になる(予感)。

がんばれ、後継者。