公益社団法人 鹿児島県薬剤師会

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<備忘録>「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))について」の通知発出について

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昨日(6/16)、東京で開催された第2回 日本病院薬剤師会 Future Pharmacist Forumに参加(自腹)した。

実施には、一昨日(6/15)、昨日、2日間の開催であったが、15日は、国際緊急援助隊医療チーム導入研修で模擬患者を務めていたため(こちらも自腹)に参加できなかった。

さて、個人的ポリシーで、ランチョンセミナーは大嫌い。

理由

 1:ご飯を食べることだけが目的のような人が多いように感じられる。講師に失礼。

 2:昼休みくらいゆっくりすればよいのに!。(食事をする場所が近くにないような場合は、ランチョンも致し方ないかもしれないが・・・)

 3:メーカー等にたかっているようで・・・。(そういう意味では、「お弁当会」と揶揄されるメーカーの勉強会もあまり好きではない。)

 4:主催者側はメーカー等を募るのに非常に労力を要する。(自立性がないようにも感じる。ランチョンをやりたければ、弁当の販売を予約制にして実費をとればよい。)

 5:ランチョンセミナー参加チケットを求めて早朝から長蛇の列を作るのは、時間の無駄、かつ、見苦しい(最近は事前登録のところも増えた。が、その争奪戦も激しい)。

 6:当日の空席を求めて、会場前に長蛇の列をなしている人々を見ると、なんとなく悲しい。等々。

<ここからが本題>

しかし、昨日は、たまたま興味のある演題「患者中心の薬物療法の実践~高齢者の医薬品適正使用の指針の活用~ (国立長寿医療研究センター 薬剤部 溝神文博)」を見かけたので、ポリシーを180度ひん曲げ、ランチョンセミナーに参加することにした。

ただし、講演が始まる前には、食事を完全に済ませて。

話し方も明快で、ポリファーマシーの定義の変遷、そこに薬剤師がどのように介入するか、また、その時の視点(看護師の視点と薬剤師の視点の差異等を踏まえて)、指針をどのように活かすかについて症例をベースにした(逆かな?指針に活かされた症例の紹介といった方がよいか)内容も非常に参考になった。

そのなかで、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」が6/13に発表になったとの情報提供もあった。

その場で、厚労省の高齢者医薬品適正使用検討会のホームページを検索し、情報の公開を確認。

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-iyaku_431862.html

「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」20158/5と合わせて、参考にしてください。

https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/kourei-tekisei_web.pdf

高齢者の薬物有害事象は否定形、薬の要因、身体機能の低下(腎臓・肝臓等の機能の低下、認知機能の低下、日常生活動作の低下、etc.)、人的要件(介護者、介護者の無知、etc.)等を踏まえ予防する。

薬剤起因性老年症候群・・・症状が気づかれにくい・・・対処療法的処方・・・処方カスケード・・・ポリファーマシー

薬剤師の視点:患者の希望を第一に、症状から薬の影響を考慮・・・有害事象を発見する能力・・・処方カスケードの防止・・・処方見直し(clinical medication  review)・・check, consider, record

まずは、患者の情報を集める(身体機能、認知機能、希望、使用している薬剤など)、高齢者総合機能評価 (CGA)を利用(例えば、日本老年医学会のホームページを参照:https://jpn-geriat-soc.or.jp/tool/index.html

例えば、食欲低下という症状の背景には、ひょっとすると高血圧治療薬の効き過ぎ→低血圧→意欲低下→食欲低下というストリーが隠れているかもしれない。

食欲低下で片づけるのではなく・・・

<参考>

Polypharmacy-Guidance-2018(NHS)

https://www.therapeutics.scot.nhs.uk/wp-content/uploads/2018/04/Polypharmacy-Guidance-2018.pdf