公益社団法人 鹿児島県薬剤師会

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美容は人の命に優先するか 医薬品とは・・・

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医薬品とは何か

先日、姶良地区医療協議会で使用したスライド資料(http://kayaku.jp/pha/4618/)のなかで、

『医薬品 = 化学物質 + 情報 + 倫理 + 経済』

と示したが、医薬品の適正使用には、倫理的な問題も含まれる。

医療に関しては、特に災害医療においては、「生命」>「機能」>「整容」の順に重要視される。

医薬品は、「生命」に直接かかわるもので、本来の順位が高い目的をまず果たすように適正に使用する必要がある。

そこに、医療者としての「倫理」がある。

さて、ラエンネック・・・胎盤加水分解物。

いわゆるプラセンタ。

プラセンタに関しては、健康食品や化粧品などにも配合され、若返りの魔法薬のように扱われている。

日本の薬は、中国では、「神薬」。

彼の国では、ラエンネックは本来の治療目的の適用とは異なり、「美容」目的で、高値で取引されているらしい。

それを狙っている者がいるようで、2019/3/23付の産経新聞 電子版に医療機関によるラエンネックの転売に関する記事が掲載されていた。

https://www.sankei.com/premium/news/190323/prm1903230005-n1.html

「生命」を守るために使用されるべきものが、他の目的で使用され、本来必要としている人に届かない。

高値故の転売が横行すれば、そんな事態も起こりかねない。

医薬品が、心亡き者により「倫理」を欠き医薬品ではなくなる・・・

『医薬品 = 化学物質 + 情報 + 倫理 + 経済』の経済は、私腹を肥やしたり、個人の欲求を満たすための経済ではない。