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「過剰な鉄分は身体に害です(日本陸連)」 薬剤師として、どのように関わるべきか・・・
つい先ほど一般の方から相談が寄せられた。
「飲み合わせについて教えて欲しいんですが・・・高齢の母が、コンドロイチンの入った飲み物を飲藻い始めたのですが、足や腰に効く処方箋のいらない錠剤と一緒に飲んでよいでしょうか?それから、荏胡麻・・・」
足や腰に効く一般用医薬品・・・商品名を相談者は知らないらしく、判断不能。しかし、商品の範疇から推定すると、それにもコンドロイチン等が配合されているのではと思われる。過剰摂取の可能性もある。なお、他の薬は飲んでないとのこと。
使用していて体調が良ければ、そして、経済的に問題がなければ続けることは構わないが、成分が重なっている可能性があること、効果的にはあまり期待できないこと、経済的な負担の問題等を説明し相談終了。
体に良いからと、あれやこれや手当たり次第に手を出してしまう。そこに付け込んで商売する者がいる。TV CMにしろ新聞広告にしろ、いかにも聞きそうな見出しで、効果があったと言う経験談ばかりを掲載する。おまけに、初回限定半額、たったの1000円、サンプル無料とあの手この手で消費者に襲いかかってくる。
それらに洗脳され、あるいは、断り切れず、ついつい高額な商品の購入に至る。
結果、おおよそ効果があるとは思われないものを毎日口にすることになる。
体調や経済的に影響がなければまだしも、場合によっては体調を崩したり、経済的な負担になったりする。
日本陸連から出された次の情報も、鉄剤の過剰摂取(投与)の危険性を啓発するもの。
確かに、アスリート貧血は競技能力の観点から問題であるが、正しい知識と適切な医療的・栄養学的サポートがないままに、でたらめに使用しては、それこそアスリート生命と縮めてしまう。
酷い場合には、命にもかかわってくる。
薬剤師は、その辺りの指導や啓発にもかかわっていくことができる。
「過剰な鉄分は身体に害です(日本陸連)」
https://www.jaaf.or.jp/wp/wp-content/uploads/2016/06/fe535333ee2d1b36305154aa5b0669eb.pdf
上記資料より飲用
貧血とは血液中で酸素を運ぶヘモグロビン濃度が低い状態をいい、パフォーマンスの低下に直結する病気です。貧血のなかで、アスリートにもっとも多いのは鉄欠乏性貧血で、これは食事、休養やトレーニング強度・量に気を配ることで予防することができます。
極度な食事制限やオーバーワークも鉄欠乏性貧血を招きますので、指導者はアスリートの状態を把握した上で指導する必要があります。
一方で、鉄分サプリメントの過量使用や鉄剤の静脈内注射が日常的に行われている事実があります。鉄分が体内に多く入りすぎると、肝臓、心臓などの重要な臓器に蓄積し、体に悪影響をもたらします。
日本陸上競技連盟はアスリートの健康確保のため、貧血の予防・早期発見・適切な治療をめざし、「アスリートの貧血対処7か条」を作成いたしました。アスリートのみならず、指導者、保護者の皆さんにも活用していただきたいと思います。
<関連>
鉄剤注射、中学生も調査へ…「低年齢化」の情報 12/11(火) 6:14配信 読売新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181210-00050108-yom-spo
高校駅伝の一部強豪校で貧血治療用の鉄剤注射が不適切に使われていた問題で、日本陸上競技連盟(陸連)は来週中にも、高校に加え中学、大学、社会人の競技団体に使用実態の調査を依頼することを決めた。
鉄剤注射は、持久力を高める効果があるとされるが、体内に過剰な鉄分が蓄積され、肝機能障害などを引き起こす恐れがある。陸連は、来年12月の全国高校駅伝大会から、選手の血液検査結果の報告を義務付けるほか、身長、体重を報告させることも検討中だ。
これに加え、日本中学校体育連盟、全国高等学校体育連盟、日本学生陸上競技連合、日本実業団陸上競技連合の4団体と対策を協議していく。
陸連は、中高生時代に好記録を残しても、伸び悩んでしまう選手がいる背景には、鉄剤注射の使用があるとみており、若手選手の健康管理を総合的に推進する必要があると判断した。
陸連にも全国から「鉄剤注射の使用が低年齢化している」との情報が寄せられていることから、調査対象を中学生にまで広げたい考えだ。読売新聞の取材でも、高校で鉄剤注射を打っていたという大学生の女子選手が、「中学で打ち始めた」と証言した。