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夫已有大者、又兼小者、天下能是之、況人乎(春秋繁露)・・・0.1目盛の物は使えないのですか?
学校薬剤師学術フォーラム、学校環境衛生基準改正に関する説明の後、受講者の何名かが講師(文科省、小出氏)を捕まえて同じような質問をしていた。
「0.5℃目盛の物を使用するということは、0.1℃目盛の温度計やデジタル機器は使用してはいけないのですか?」
「アスマン通風乾湿計(気温、相対湿度を測定する温度計)は使用できないのですか?」
「カタ温度計(気流を測定する温度計)は使用できないのですか?」
いったい、どうして、そんな質問が発生するのだろう。
暫く、やり取りを聞いていると、通知内容の変更点のみの字面(下表の赤字部分)を追っていることにその原因の一つがあるようだということが判った。
少なくとも表に付された注意書き(下表の青字部分)を読んでいれば、そんな疑問は起こらないはず。
検査の意味、それぞれの機器の特徴、精度、正確度、などを理解していれば、生じない疑問である。
「大は小を兼ねる」では、ないが、上位性能を持つ物は下位性の物をカバーできる、それを読み取れていない。
何度も同じような質問を浴びせられていた『研究者歴のある』講師の顔に、少し疲れの色が見て取れた。
学校環境衛生基準(変更部分には下線が施してある)
第1 教室等の環境に係る学校環境衛生基準 http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/__icsFiles/afieldfile/2018/05/28/1403737_02_1.pdf
(中略)
- 1の学校環境衛生基準の達成状況を調査するため、次表の左欄に掲げる検査項目ごとに、同表の右欄に掲げる方法又はこれと同等以上の方法により、検査項目(1)~(7)及び(10)~(12)については、毎学年2回、検査項目(8)及び(9)については、毎学年1回定期に検査を行うものとする。
検査項目 |
方法 |
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換 気 及 び 保 温 等 |
(1) 換気 | 二酸化炭素は、検知管法により測定する。 | |
(2) 温度 | 0.5度目盛の温度計を用いて測定する。 | ||
(3) 相対湿度 | 0.5度目盛の乾湿球湿度計を用いて測定する。 | ||
(4) 浮遊粉じん | 相対沈降径10μm 以下の浮遊粉じんをろ紙に捕集し、その質量による方法(Low-Volume Air Sampler 法)又は質量濃度変換係数(K)を求めて質量濃度を算出する相対濃度計を用いて測定する。 | ||
(5) 気流 | 0.2m/秒以上の気流を測定することができる風速計を用いて測定する。 | ||
(6) 一酸化炭素 | 検知管法により測定する。 | ||
(7) 二酸化窒素 | ザルツマン法により測定する。 | ||
(8) 揮発性有機化合物 | 揮発性有機化合物の採取は、教室等内の温度が高い時期に行い、吸引方式では30分間で2回以上、拡散方式では8時間以上行う。 | ||
ア.ホルムアルデヒド | ジニトロフェニルヒドラジン誘導体固相吸着/溶媒抽出法により採取し、高速液体クロマトグラフ法により測定する。 | ||
イ.トルエン | 固相吸着/溶媒抽出法、固相吸着/加熱脱着法、容器採取法のいずれかの方法により採取し、ガスクロマトグラフ-質量分析法により測定する。 | ||
ウ.キシレン | |||
エ.パラジクロロベンゼン | |||
オ.エチルベンゼン | |||
カ.スチレン | |||
(9) ダニ又はダニアレルゲン | 温度及び湿度が高い時期に、ダニの発生しやすい場所において1㎡ を電気掃除機で1分間吸引し、ダニを捕集する。捕集したダニは、顕微鏡で計数するか、アレルゲンを抽出し、酵素免疫測定法によりアレルゲン量を測定する。 | ||
備考
一 検査項目(1)~(7)については、学校の授業中等に、各階1以上の教室等を選び、適当な場所1か所以上の机上の高さにおいて検査を行う。 検査項目(4)及び(5)については、空気の温度、湿度又は流量を調節する設備を使用している教室等以外の教室等においては、必要と認める場合に検査を行う。 検査項目(4)については、検査の結果が著しく基準値を下回る場合には、以後教室等の環境に変化が認められない限り、次回からの検査を省略することができる。 検査項目(6)及び(7)については、教室等において燃焼器具を使用していない場合に限り、検査を省略することができる。 二 検査項目(8)については、普通教室、音楽室、図工室、コンピュータ教室、体育館等必要と認 める教室において検査を行う。 検査項目(8)ウ~カについては、必要と認める場合に検査を行う。 検査項目(8)については、児童生徒等がいない教室等において、30分以上換気の後5時間以上密閉してから採取し、ホルムアルデヒドにあっては高速液体クロマトグラフ法により、トルエ ン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレンにあってはガスクロマトグラフ-質量分析法により測定した場合に限り、その結果が著しく基準値を下回る場合には、以後教 室等の環境に変化が認められない限り、次回からの検査を省略することができる。 三 検査項目(9)については、保健室の寝具、カーペット敷の教室等において検査を行う。 |
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採
光 及 び 照 明 |
(10) 照度 | 日本工業規格 C1609 に規定する照度計の規格に適合する照度計を用いて測定する。
教室の照度は、図に示す9か所に最も近い児童生徒等の机上で測定し、それらの最大照度、最小照度で示す。 黒板の照度は、図に示す9か所の垂直面照度を測定し、それらの最大照度、最小照度で示す。 教室以外の照度は、床上75cmの水平照度を測定する。なお、体育施設及び幼稚園等の照度は、それぞれの実態に即して測定する。 |
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(11) まぶしさ | 見え方を妨害する光源、光沢の有無を調べる。 | ||
図 省略 |
騒 音 |
(12) 騒音レベル | 普通教室に対する工作室、音楽室、廊下、給食施設及び運動場等の校内騒音の影響並びに道路その他の外部騒音の影響があるかどうかを調べ騒音の影響の大きな教室を選び、児童生徒等がいない状態で、教室の窓側と廊下側で、窓を閉じたときと開けたときの等価騒音レベルを測定する。
等価騒音レベルの測定は、日本工業規格 C1509 に規定する積分・平均機能を備える普通騒音計を用い、A特性で5分間、等価騒音レベルを測定する。 なお、従来の普通騒音計を用いる場合は、普通騒音から等価騒音を換算するための計算式により等価騒音レベルを算出する。 特殊な騒音源がある場合は、日本工業規格 Z8731 に規定する騒音レベル測定法に準じて行う。 |
備考
一 検査項目(12)において、測定結果が著しく基準値を下回る場合には、以後教室等の内外の環境 に変化が認められない限り、次回からの検査を省略することができる。 |
<メモ>
度製第二十七
孔子曰﹕“不患貧而患不均。”故有所積重,則有所空虛矣。大富則驕,大貧則憂,憂則為盜,驕則為暴,此眾人之情也。聖者則於眾人之情,見亂之所從生,故其製人道而差上下也,使富者足以示貴而不至於驕,貧者足以養生而不至於憂,以此為度而調均之,是以財不匱而上下相安,故易治也。今世棄其度製,而各從其欲,欲無所窮,而俗得自恣,其勢無極,大人病不足於上,而小民羸瘠於下,則富者愈貪利而不肯為義,貧者日犯禁而不可得止,是世之所以難治也。
孔子曰﹕“君子不盡利以遺民。”詩雲﹕“彼其遺秉,此有不惨榔,伊寡婦之利。”故君子仕則不稼,田則不漁,食時不力珍,大夫不坐羊,士不坐犬。詩曰﹕“采葑采菲,無以下體,德音莫違,及爾同死。”以此防民,民猶忘義而爭利,以亡其身。天不重與,有角不得有上齒,故已有大者,不得有小者,天數也。夫已有大者,又兼小者,天不能足之,況人乎!故明聖者象天所為為製度,使諸有大奉祿,亦皆不得兼小利、與民爭利業,乃天理也。
凡百亂之源,皆出嫌疑纖微,以漸?稍長,至於大。聖人章其疑者,別其微者,絕其纖者,不得嫌,以蚤防之。聖人之道,眾堤防之類也,謂之度製,謂之禮節,故貴賤有等,衣服有製,朝廷有位,鄉黨有序,則民有所讓而不敢爭,所以一之也。書曰﹕“滏服有庸,誰敢弗讓,敢不敬應?”此之謂也。
凡衣裳之生也,為蓋形暖身也,然而染五采、飾文章者,非以為益冗膚血氣之情也,將以貴貴尊賢,而明別上下之倫,使教前行,使化易成,為治為之也。若去其度製,使人人從其欲,快其意,以逐無窮,是大亂人倫而靡斯財用也,失文采所遂生之意矣。上下之倫不別,其勢不能相治,故苦亂也;嗜欲之物無限,其勢不能相足,故苦貧也。今欲以亂為治,以貧為富,非反之製度不可。古者天子衣文,諸侯不以燕,大夫衣醃,士不以燕,庶人衣縵,此其大略也。