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うがい薬の独り歩き
「うがい薬のみの処方は、保険請求できないことになっているが・・・」
との問い合わせがあった。
さて、『うがい薬のみの処方』については、H26年診療報酬改定で、その取扱いが明確に?規定された。
<H26年診療報酬改定資料> 「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)」第2章 投薬 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000041347.pdf
H30年診療報酬改定資料(診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)、http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=519657&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196292.pdf)にも、その規定が残っており、次のように記載されている。
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第5部 投薬
通則
4 入院中の患者以外の患者に対して、うがい薬のみを投薬した場合には、区分番号F000に掲げる調剤料、区分番号F100に掲げる処方料、区分番号F200に掲げる薬剤、区分番号F400に掲げる処方箋料及び区分番号F500に掲げる調剤技術基本料は、算定しない。
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上記文書を読む限り、問い合わせ者の言うように「うがい薬のみの処方は、保険請求できない」ことになる。
しかし、これに関しては、H26年疑義解釈資料の送付について(その2、http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000043085.pdf)医科12ページに、次のように示されており、治療目的での処方は除外されることになっている。
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【うがい薬】
(問51)うがい薬のみ投与された場合、当該うがい薬に係る処方料、調剤料、薬剤料、処方せん料が算定できない規定となったが、治療目的でうがい薬のみ投与された場合は算定できると考えてよいか?
(答) そのとおり。処方料、調剤料、薬剤料、処方せん料は算定できる。
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さて、問題なのは、『うがい薬のみ』が、ネット上などで一人歩きしていることである。
その姿をネット上で見かけた者に、『うがい薬のみは保険請求できない』とのイメージが棲みついてしまっていることである。
疑義解釈資料まで、しっかり押さえてあれば、少なくとも『うがい薬のみは保険請求できない』とはならず、うがい薬が何を目的として処方されているかを確認し、その目的に応じて対応を変える必要があることが理解できるはずである。
処方から処方意図が汲み取れ無ければ、患者に確認する、医師に疑義照会するといった作業が必要になる。
その段階を抜かしてしまっては、それこそ、薬局の機能の一部が欠落することになる。
まずは、関連資料の原文にあたること。
それから、公的機関またはそれと同等の機関が発行している疑義解釈資料などを参照する事。
それらを踏まえて、薬剤師が判断する事。