
新着情報
ラニチジン塩酸塩についての通知
事務連絡
令和元年9月17日
各都道府県衛生主管部(局) 御中
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課
厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課
ラニチジン塩酸塩における発がん物質の検出に対する対応について
標記について、ラニチジン塩酸塩又はラニチジンと類似の化学構造を有するニザチジンを製造販売する事業者宛てに、別添のとおり事務連絡を発出しましたので、貴管下における事業者に対し、ご指導いただきますようお願いいたします。また、下記の事項についても併せてご了知いただきますようお願いいたします。
記
1. 経緯
今般、欧州医薬品庁(EMA)、アメリカ食品医薬品局(FDA)等 において、ラニチジン塩酸塩の製剤及び原薬から微量のN ニトロソジメチルアミン(以下「NDMA」という。) が検出された旨の発表がなされました 。
NDMAが検出された原因については、現在、各国の当局が協力し、調査を進めているところです。
厚生労働省では、日本国内における製造販売業者に対し、ラニチジン塩酸塩等の分析を指示するとともに、予防的措置として、分析結果が明らかになるまでの間、ラニチジン塩酸塩の新たな出荷を行わないよう指示しました 。
なお、分析の結果 、品質に問題がないことが明らかになった場合には、出荷を妨げないこととしています。
2. 想定される健康被害のリスクについて
海外において検出されたNDMAの量は 数 ppm 程度と微量である ものの、現在、安全性の評価を行っているところであり、結果がまとまり次第お知らせする予定です。
3.ラニチジン塩酸塩を服用している方等への対応について
FDAは、現時点では服用を止めることまでは求めていませんが、服用継続を希望しない患者に対しては医療従事者に相談するよう、アナウンスを行っています。
ラニチジン塩酸塩の服用について照会等があり、他の薬剤への切り替え等の対応を希望される場合には、他の治療選択肢について医師又は薬剤師に相談していただくよう回答方お願いいたします。
また、今後新たに治療を開始する場合においては、同様の効能・効果をもつ他の薬剤の使用を検討いただくよう、医療機関等に対し、周知方お願いいたします。
以上
別添
事務連絡
令和元年9月17 日
(別記) 御中
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課
厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課
ラニチジン塩酸塩等における発がん性物質に関する分析について(依頼)
今般、アメリカ食品医薬品局(FDA)及び欧州医薬品庁(EMA)より、ヒスタミンH2受容体拮抗薬であるラニチジン塩酸塩の製剤及び原薬から発がん性物質であるN‐ニトロソジメチルアミン(以下「NDMA」という。)が検出されたことに伴い、ラニチジンを含有する医薬品に関する公式な評価プロセスを開始する旨のアナウンスが発出されたところです。
これを踏まえ、ラニチジン塩酸塩又はラニチジンと類似の化学構造を有するニザチジンを製造販売する事業者においては、下記のとおり対応いただくようお願いいたします。
なお、アンジオテンシンII 受容体拮抗薬(以下「サルタン系医薬品」という。)については、昨年、NDMA等が検出され、国際的に回収等が行われたことを受け、「サルタン系医薬品における発がん性物質に関する管理指標の設定について(依頼)」(平成30 年11 月9日付け薬生薬審発1109 第6号・薬生安発1109 第4号・薬生監麻発1109 第1号医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、医薬・生
活衛生局医薬安全対策課長、医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)により、製造販売業者に対し、管理指標値に基づく製造管理及び品質管理の実施をお願いしているところです。
記
1. 製造販売するラニチジン塩酸塩及びニザチジンについて、有効期限内の製品に使用されている原薬の製造所ごとに、製造工程における亜硝酸又は亜硝酸塩の混入リスクの有無及びその根拠並びに2.で実施する分析結果が得られる時期の目処を9月30日までに、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課宛て報告すること。
亜硝酸及び亜硝酸塩については、サルタン系医薬品においてNDMA等の生成の原因の一つとなっていることが報告されており、本件についても現時点において関連を否定できないことから、報告を求めるものである。
2. 有効期限内の製品及び当該製品に使用されている原薬についてNDMAの分析を実施し、その結果を厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課宛て報告すること。
分析は、バリデーションされた方法であって、適切な検査水準にて実施する必要がある。なお、検査方法は以下の参考情報を参照するとともに、NDMAが0.32ppm 以下※であることを確認できるような検査水準で分析を実施すること。
また、分析の結果、0.32ppm を上回ることが否定できない場合には、取引先等への情報提供及び市場に流通している製品の回収を検討すること。
※ 平成30 年度第9回医薬品等安全対策部会安全対策調査会における報告のとおり、NDMAの許容摂取量が0.0959μg/日であることから、ラニチジン塩酸塩及びニザチジンの一日の最大用量(300mg)から算出し、0.32ppm を水準とする。
3. ラニチジン塩酸塩については、2.の分析結果が明らかになるまで、当該製品の新たな出荷は行わないこと。ただし、ニザチジンについてはこの限りでない。なお、2.の分析結果が明らかになるまでの間、NDMAの混入リスク等を示唆するその他の根拠がない限り、すでに市場に流通している製品の回収を行う必要はないこと。
参考情報:
○米国におけるNDMAの分析法
https://www.fda.gov/media/130801/download(LC/HRMS 法)
○平成30 年度第9回医薬品等安全対策部会安全対策調査会 資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000378171.pdf
以上
(別記)
グラクソ・スミスクライン株式会社
テバ製薬株式会社
マイラン製薬株式会社
株式会社陽進堂
小林化工株式会社
沢井製薬株式会社
鶴原製薬株式会社
東和薬品株式会社
日医工株式会社
日本ジェネリック株式会社
武田テバファーマ株式会社
ゼリア新薬工業株式会社
田辺三菱製薬株式会社
大原薬品工業株式会社
ニプロ株式会社