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<ちょっと一息> 3Dグラフは好きですか?
昔は、グラフを描くのも一苦労だった。
私が学生のころは、やっとパーソナルコンピューターが普及し始めていたが、高嶺の花。
機能も現在のそれと比べると、本当におもちゃのようだった。
学会発表や論文投稿の際のグラフは、当然手描き。
ロットリングペンやスクリーントーンなどと格闘。
やっと描き上げたと思っても、訂正があると一からやり直し。
それでも、博士課程を終え、就職するころになるとマッキントッシュなどできれいなグラフが描けるようになった。
おまけにソフトウエアも格段に進歩。
数字さえ打ち込めば、様々な種類のグラフがたちどころに描けるようになった。
そのころからだろうか、3Dグラフを学会などで見かけるようになったのは。
一見して3Dグラフは格好がよい。
そのため、それに、はまってしまうこともある。
しかし、3Dグラフには落とし穴がある。
例えば、円グラフ。
要素が占める扇形の面積から、一目でそれぞれの全体に対する比率(割合)が理解できる。
ところが、それを3Dグラフにすると面積が正しく比率を示さなくなってしまう。
つまり、円グラフの本来の特性を満たさなくなる。
棒グラフも同じようなことが言える。
一見格好良いが、それだけで、それ以上ではない。
むしろ、それ以下になってしまうこともある。
どのグラフを利用するかは、資料の作成者の好みにもよるが、できるだけグラフ本来の意味を考えた表現方法を採用するのがよいと言える。
簡単なのが一番良い。