公益社団法人 鹿児島県薬剤師会

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〇〇は、ドーピングにならないか? その2 ちょっとひねった質問3

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以前、この掲示板で「暫くの期間ステロイド軟膏を大量に塗布することになるがドーピングにならないだろうか?」といった少しややこしい、ドーピング関連の問い合わせ事例を紹介した(2019/7/18)。

その後も、少し、ひねった問い合わせがちらほらと寄せられる。

事例2)アタラックスPは、ドーピングにならないか?(2019/8/2 本掲示板いて紹介済み)

事例3)ミティキュアは、ドーピングにならないか?

さて、どうでしょう。

今回は、事例3)について解説。

<解説>

ミティキュアですが、禁止表には該当する成分は掲載されていません。
かといって、ダニの抽出物であり、生薬等と同様、明らかに禁止物質を成分として含有している場合を除き、明確な判断はできません。
頼みの綱である、当然、薬剤師のためのアンチドーピングガイドブックにも使用できるとは書かれていません。
さらに、ミティキュアでglobal DROを検索してもヒットしてきません。

さて、どうする。

そんな時は、情報センター(ドーピングホットライン)に確認・・・
しかし、ドーピングホットラインがいつも明確な解答を持ち合わせているとは限りません。

さて、どうする。

外国の情報ではどうなっている?

そう思われた方は、なかなか目の付け所がよい(かもしれない)。

しかし、海外では、ミティキュアが販売されているか、否か?

さて、どうする。

そんな時は、インタビューフォームをみるのが一つの手。

幸い、最近では、インタビューフォームはPMDAのホームページから閲覧可能。

例えば、ミティキュアのインタビュフォームを閲覧するには、

PMDA 医療用医薬品情報検索のページを利用するとよい。

http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/

「検索結果一覧で常時する文書を選ぶ」欄でインタビューフォームにチェックをいれ、「一般名・販売名」欄にミティキュアと入れ、検索ボタンを押す。

検索結果が表示されたら、インタビューフォーム欄をクリック。

PDFファイルとしてインタビューフォームのダウンロードが始まる。

そのファイルを開き、XII 参考資料 1.主な会議での発売状況 p.61をみると海外での販売状況が次のように記載されている。

本剤は、2015 年 9 月 23 日にデンマークで承認された。その後、ノルウェー、ドイツ他計 22 ヶ国で承認されている。(2018 年 9 月現在)
国 名:デンマーク、ノルウェー、ドイツ、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、スロバキア、チェコ、
フランス、ポーランド、イタリア、オランダ、オーストラリア、スイス、スペイン、アメリカ、カナダ、韓国、タイ、
フィリピン、ニュージーランド、マレーシア
販 売 名: ACARIZAX 12 SQ-HDM oral lyophilisate(イタリア:ACCARIZAX、アメリカ:ODACTRA)

例えば、アメリカ版global DRO(https://www.globaldro.com/home/index 星条旗をクリック)でアメリカでの販売名ODACTRAで検索すると・・・

あらら、残念。

ヒットせず。

たいていの人は、この辺りで断念してしまうが、もうひと粘り。

Global DRO(https://www.globaldro.com/home/index それぞれの国の国旗をクリックするとそれぞれの国のサイトに飛ぶ)は、日本、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、イギリスが運用。

幸い、ミティキュアはACARIZAX 12 SQ-HDM oral lyophilisateという名で、オーストラリアやカナダでも販売されている。

では、オーストラリアあるいはカナダのglobal DRO(https://www.globaldro.com/home/index カナダの旗をオーストラリアあるいはクリック)のサイトで検索してみると・・・

後は、お試しあれ。

Global DRO その他の国(https://www.globaldro.com/home/index othersをクリック)(先日のメールで紹介)、例えばオーストリア独自の検索サイトなども利用してみるとよい。

但し、表記はドイツ語。

<重要> 得られた結果は、プリントアウトし、相談者(アスリート)に手渡すとともにお薬手帳などと一緒に携行することを勧める。