公益社団法人 鹿児島県薬剤師会

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医療者の説明と患者の理解のギャップ

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イメージできないものは理解できない

また、そのイメージも、その人の経験や知識などによって、同じものでも変わってくる

医療において、時に、それが患者の不安につながる

医師は自分が使い慣れた薬、慣れた治療法などについて、患者に説明する

説明が簡潔で、的確で、平易であればそれなりに医師のイメージするところを患者の脳裏に転送することができるかもしれない

しかし、往々にして、医師のイメージしていることは、そう容易には患者には伝わっていない

その段階で、医薬品の使用や手術に関しての同意書を求められても、特にそれらによって重篤な障害場合によっては死が見え隠れするような場合、不安が先行してしまい、なかなか決心することができない

つい今しがた、そんな相談が寄せられた

相談者の話からは、医師の説明が全く十分ではないことが窺えた

特に重要な意思決定の段階では、患者本人だけではなく、家族も合わせて十分な説明をし、それぞれに理解・納得してもらう必要がある

即答はせず、暫く時間をもらい回答することにした

当該医薬品の添付文書、患者の病気に関連する資料などをかき集め、斜め読み、大まかな回答内容を考えて、心を決めてダイアル

結局、回答を準備するのに30分近くかかってしまった

さて、回答を伝えるにしてもこちらが気にせず使用している専門用語が簡単には伝わらない

〇〇とは何ですか

そんな問いに対して、言い換えや、例示を使って、〇〇のイメージをおぼろげながら伝えるのに一苦労

さらに、予期せぬ問いが発生

それらに対して、これまた、苦労してイメージを伝える

流石に術式に関しては、担当医に確認するようにと逃げを打つ

なんとなく全体的なイメージを納得されたかな(少し不安が解消したかな)といったところまでやっと漕ぎつけたが、最終的には、担当医と再度話し合って納得した上でサインしてもらうように伝えて相談終了

実に難しい

が、勉強になる

薬局でも、そんな光景がしばしば繰り返されているのではないだろうか・・・

そこをうまく乗り切れば、薬局への患者の信頼度がずっと増す