公益社団法人 鹿児島県薬剤師会

新着情報

授乳中なのですが・・・

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授乳中だが、もらった薬の説明書に授乳は避けるようにと書かれていた。

大丈夫か?

との相談が寄せられた。

さて、この事例にも、いくつかの問題がある。

① 相談者は、授乳中であることを医師や薬剤師に伝えたか。

② 仮に患者が授乳中であるとわかった場合に、医師は何を基準に処方をしたか、また、薬剤師は何を基準に調剤をしたか?

③ 薬剤師は医師に疑義照会し、代替薬を提案しなかったのか?

④ 処方や調剤に際して、授乳に関する注意事項等を医師はどのように説明したのか? 

⑤ 当該薬を処方する必要性があったのか?

⑥ 薬情に書かれた情報が不安を煽っていないか(医師、あるいは、薬剤師の説明と記載内容の矛盾など)? 等

さて、実際には、授乳に対する不安から相談を寄せられたわけであり、上記①~⑥のどこかに問題があったと判断できる。

どのこの部分が問題であるかの詮索は、この際、置いておいて、少なくとも薬剤師が関わる部分は、薬剤師としてクリアしておく必要がある。

問題の薬は、抗アレルギー薬。

添付文書には、有益性投与となっており、その際は授乳を避けるとある。

乳児に対する安全性の検討なし、半減期は2.4時間、Tmax 1-2時間、ラットにおいて乳汁中への分泌データあり、脳への移行は多くない。

IFには、

一般にヒスタミン H1 受容体拮抗作用のある薬剤は、中枢神経系に対し興奮と抑制の両作用を示し、通常用量では抑制的に作用し眠気等がみられるが、過量投与により痙攣等の興奮作用があらわれることがある 。

特に,乳・幼児では中毒によって痙攣を起こすことが報告されている。

との記載がある。

さて、どのように対応するか?

本当に、処方が必要だったのだろうか・・・

症状によっては、薬を飲むほどではないのでは・・・