公益社団法人 鹿児島県薬剤師会

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具体的な要件を知りたいのだが・・・厚生科学審議会 (医薬品医療機器制度部会) とりまとめ案

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気が早い先生がいらっしゃり、高度な機能を持つ薬局に必要な具体的要件などに関する問い合わせも既に寄せられ始めている。

ところが、方向性が決まったばかり。

具体的な要件等は、今後、順次示されることになる。

しかし、薬局の建て替えなどを近々に計画されている場合など、具体的な施設基準(装備品などを含め)見えてこないと、建て替えの青写真も描けないといった問題があるのも確か。

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厚生科学審議会 (医薬品医療機器制度部会) とりまとめ案

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_430263.html

既に、薬事業界関連新聞やWebサイトで紹介されていますが、12/4 薬局の機能による分類等に関するとりまとめ案が公表されています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02814.html

聞くところによると、会議の席上でまたもや一波乱(?)あったようです。

その件に関しては、陰ながら薬剤師にエールを送っていた委員もガッカリされたとか・・・

肝心かなめの会議には、それなりに論理武装し即応力のある委員を送り込まなければ・・・etc.

それは、ともかくとして、とりまとめ案から薬剤師・薬局のあり方部分には次のように記載されており、一般の目からみたこれまでの薬局在り方・薬剤師職能の在り方の総評と期待が見て取れる。

つまり、現状においては、薬剤師本来の役割が十分に果たされていない、医薬分業の在り方が十分とは評価されていないと社会にみられているということになる。

それらの点については、真摯に受け止め、今後の薬剤師職能、医薬分業の更なる発展と改善に務めていかなければ、そして実現せねば、10年後、20年後の再評価の際には、場合によっては薬剤師職能すら否定されてしまうことにもなりかねない。

第3 薬剤師・薬局のあり方

1.基本的な考え方

○ 本部会では、医薬分業の現状を踏まえ、今後の地域における薬物療法の提供に当たっての患者支援のあり方について、別途「薬剤師が本来の役割を果たし地域の患者を支援するための医薬分業の今後のあり方について」にとりまとめた。

○ これを踏まえると、今後、地域包括ケアシステムの構築が進む中で、薬剤師・薬局がその役割を果たすためには、各地域の実情に応じ師をはじめとする他の職種や医療機関等の関係機関と情報共有しながら連携して、患者に対して一元的・継続的な薬物療法を提供することが重要である。

○ そのためには、薬剤師は、調剤時のみならず医薬品の服用期間を通じて服薬状況の把握(服薬アドヒアランス9や有効性の確認、薬物 有害事象の発見等)による薬学的管理を継続的に実施し、必要に応じて、患者に対する情報提供や薬学的知見に基づく指導を行うほか、それらのこと情報を、かかりつけ医・かかりつけ歯科医に提供するはもちろん他の職種や関係機関と共有することが更に必要となる。また、適切な薬学的管理を行い必要な受診勧奨につなげるため、要指導医薬品、一般用医薬品、いわゆる「健康食品」等の使用状況等を把握すること重要である。

 ○ 薬局は、従事する薬剤師が以上のような役割を十分に果たせるような環境を整備する必要がある。その一環として、薬剤師の行う対人業務を充実させる観点から、品質の確保を前提として対物業務の効率化を図る必要がある。

○ また、今後、在宅医療の需要が増大することが見込まれるほか、んの薬物療法に関して、経口薬が増加して外来で処方される機会が多くなっているなど、専門性が高い薬学的管理が継続的に必要となる薬物療法が提供される機会が増加しており、このような状況に適切に対応するためには、臨床現場で専門性が高く、実践的な経験を有する医療機関の薬剤師が中心的な役割を果たしつつ地域の実情に応じて、一定の資質を有する薬局の薬剤師が医療機関の薬剤師と連携しながら対応することが望ましいと考えられる。このような中では患者が自身に適した機能を有する薬局を選択できるようにすことが重要であり、そのための環境を整えるべきである。

9 患者が薬の作用・副作用について十分な説明を受け納得した上で、服薬の必要性を理解し、主体的に治療を受け、継続した服薬を行うこと

2.具体的な方向性

(1) 患者の薬物療法を支援するために必要な薬剤師・薬局における取組

① 服用期間を通じた継続的な薬学的管理と患者支援

○ 現行の薬剤師法等の規定では、薬剤師は調剤時に情報提供や薬学的知見に基づく指導を行うことが義務づけられているが、薬剤の服用期間を通じて服薬状況の把握等を行うべき旨は必ずしも明確ではない。このため、薬剤師には、調剤時のみならず、薬剤の服用期間を通じて、必要な服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導を行う義務があることを明確化すべきである。

○ また、患者に対する継続的な薬学的管理・指導を効果的に実施できるよう、薬剤師に、上記により把握した患者の服薬状況等の情報や実施した指導等の内容について記録することを義務づけるべきである。

薬局開設、その薬局に従事する薬剤師に対して、上記に関する業務を実施させるべきである。

② 医師等への服薬状況等に関する情報の提供

薬剤師は、把握した患者の服薬状況等に関する情報について、医療機関・薬局において診療又は調剤に従事する医師、歯科医師、薬剤師へ適切な頻度で提供するように努めるべきことを明確化すべきである。

③ 薬剤師の資質の向上

○ 以上のような役割を果たすためには、薬剤師自らが常に自己研鑽に努め、専門性を高めていくことが重要である。

(2) 患者が自身に適した薬局を主体的に選択するための方策

○ 患者が自身に適した機能を有する薬局を主体的に選択できるよう、薬局開設許可に加え、特定の機能を有する薬局を法令上明確にし、当該機能を果たしうる薬局であることを示す名称の表示を可能とすべである。なお、具体的な機能としては、「患者のための薬局ビジョン」においてかかりつけ薬剤師・薬局が備えていくことが必要とされた機能や患者等のニーズに応じて強化・充実すべきとされた機能を基本に、例えば、以下のような機能を持つ薬局が考えられる。

・ 地域において、在宅医療への対応や入退院時をはじめとする他の医療機関、薬局等との服薬情報の一元的・継続的な情報連携において役割を担う薬局

がん等の薬物療法を受けている患者に対し、医療機関との密な連携を行いつつ、より丁寧な薬学管理や、高い専門性を求められる特殊な調剤に対応できる薬局

○ これらの薬局の機能に関する情報は、医療計画の策定等において活用されることが期待される。

(3) 遠隔服薬指導等

○ 遠隔診療の状況を踏まえ、対面でなくともテレビ電話等を用いることにより適切な服薬指導が行われると考えられる場合については、対面服薬指導義務の例外を検討する必要がある。例外の具体的な内容については、オンライン診療ガイドラインの内容や特区実証の状況等に加え、かかりつけ薬剤師に限定すべき、品質の確保など医薬品特有の事情を考慮すべき等の本部会での指摘を踏まえ、専門家によって適切なルールを検討すべきである。

患者の療養の場や生活環境が変化している中で、患者が薬剤師による薬学的管理を受ける機会を確保するため、服薬指導及び調剤の一部を行う場所について、一定の条件の下で、職場等、医療が提供可能な場を含めるような取扱いとすべきである。

(4) 対人業務を充実させるための業務の効率化

質の高い薬学的管理を患者に行えるよう、薬剤師の業務実態とその中で薬剤師が実施すべき業務等を精査しながら、調剤機器や情報技術の活用等も含めた業務効率化のために有効な取組の検討を進めるべきである。

(5) 麻薬流通の合理化

○ 在宅における緩和ケアを推進するためには、薬局において医療用 麻薬が適切かつ円滑に患者に提供される必要がある。現行では処方箋を受け取った場合にのみ不足する医療用麻薬を薬局間で譲渡できる仕組みとなっているが、一定の要件の下で事前に譲渡することができるような仕組みを検討すべきである。