ヤツデ

学名:Fatsia japonica (Thunb.) Decne. et Planch.
科名:ウコギ科ヤツデ属
用部:葉
用途:鎮咳去痰、リウマチ、浴湯料

説明文:
南関東以南の本州から沖縄まで生育する日本特産の常緑性低木。庭木としても植えられる。雌雄異株で高さ2.5mほどになり、枝はまばらである。ツヤのある葉は、5~13くらいに深裂し、裂片は卵状楕円形で先は尖り、へりは歯状に細かく切れ込み、質はなめらかで厚く濃緑である。晩秋、葉心から伸びた軸に円錐状に花柄が出て、その先に球状散形白色の細かい花が開く。果は丸く、翌年の初夏に熟す。葉にサポニンを含むため、昔は汲み取り便所の蛆殺しにその葉を使っていた。刻んで乾燥させた葉を八角金盤といい、煎じて鎮咳去痰薬として用いることがある。ただし過剰摂取すると下痢や嘔吐、溶血を起こすことがあるので注意が必要。

薬草の詩:
「ドイツの森」には、嵐の夜に子供をさらってゆく「魔王」(ゲーテの詩)がやはり住んで、いるなー、と思ったことがあります。
日本の深山にも「天狗」が住んでいて、いわゆる「悪人」をこらしめます。右手には必ず「八ツ手」のうちわを持っているようです。
「魔よけ」として、庭の一隅に植え込んであるヤツデは、年の始めには白い花を咲かせています。                              (竜)

Previous article

ムラサキシキブ

Next article

ヤマノイモ