ニワウメ

学名:Prunus japonica Thunb.
科名:バラ科サクラ属
用部:種子また根及び根の皮
生薬名:①郁李仁(いくりにん) ②郁李根(いくりこん)
用途:①便秘、浮腫②歯茎の腫れ、歯痛

説明文:
1~2mの落葉低木種で3~4月に花が咲く。葉と同時に淡い紅~白色の5弁花を多数つける。中国原産で、主に観賞用として江戸時代に渡来した。秋に果実が熟したら採取し、果肉を除き殻をとり天日で乾燥して中の種子を採りさらに天日で乾燥させたものを郁李仁という。郁李仁は、利尿、便秘に煎じて服用。歯痛、歯ぐきの腫れには、郁李根を煎じてうがいする。熟した果実は生食、薬酒にして飲用する。サクラ属の仁には青酸配糖体のアミグダリンやプルナシンが含まれ、腸内で細菌酵素による加水分解を受けて有毒のシアン化水素を生成する。食べすぎや種子を噛み砕くことには、注意が必要である。

薬草の詩:
「梅の香や 納屋もうまやも 月の影」という句を思い出します。農耕民族はだれよりも「梅の花」を愛したと思います。厳冬の中につぼみがふくらみ、やがてふくいくたる「梅の香」が、そこここに満ちるころ、種子まきの準備も忙しくなるのです。
1年の始まりなのです。                      (竜)