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薬の説明は、もっと分かりやすく書いて欲しい
紹介元: 鹿児島県医療安全支援センターからの紹介
年齢性別: 80歳代 男性
処方薬:
1)ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏 上肢に塗布
2)ベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシン硫酸塩軟膏 手に塗布
相談内容:
① 両方とも副腎皮質ホルモンと書いてあるが、人の体にどのように効くのか分からない。広辞苑で調べてみたが理解できない。
② 薬の説明の紙と薬剤師の説明が異なる。薬剤師に尋ねたら、傷をした場合は、ベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシン硫酸塩軟膏が良いというが、薬の説明の紙を読むと、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏の方が良いように思われる。不安になり、ベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシン硫酸塩軟膏は使っていない。そこで、専門家に尋ねることにした。
③ 手だけではなく、足などもかゆくなることや擦過傷になることがある。上肢や手だけではなくて、その他のところにも使ってよいと説明に書いてもらえるとよい。
④ 薬の説明の紙の説明は難しい言葉が使われていて素人には分かり難い。もっと、簡単に、誰でもわかるように書いて欲しい。改善してもらえないか。
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さて、副腎皮質ホルモンの説明、両剤の薬剤的な違いと使用目的の違いなどを説明。薬剤師の説明通りでよいことを説明。
薬情の説明文に関しては、個々の薬局の使用しているシステム等の違いや、出来合いの定型文を使用しているか否かの問題があるが、ご意見として承った。
しかし、相談者のおっしゃられる通りであれば、当該薬局は薬情の内容を一度チェックしたほうが良いかもしれない。
用法、用量に関しては、処方医が患者の状況をどれだけ診ているかにもよるが、薬局での服薬指導の際に患部などを患者に確認するなどして適切に対応することも求められるかもしれない。
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ところで、行政の縦割りの影響は、鹿児島県医療安全支援センターにおいてもみられる。
窓口には、リタイアされた保健師が配置され、医務係の担当者がサポートしている。
県庁には同一部に薬務課があるが、薬剤師は、相談窓口にあまり関わっていない。
部署間連携ができていればよいのだが、どうにも、縦割りの影響が・・・
「薬務課は医療とは関係ないですから」
数年前の医療相談窓口連絡会議での医務係担当者の言葉であり、縦割りが端的に表れている。
『One Stop 相談』(相談を受け付けた窓口が責任をもって関連部署等に照会し、回答若しくは対応する)を目指している行政機関も国内にはいくつかある。
情報センターは、それを目指してきたが、何せ一人では限界があり、たまに九州厚生局などに相談することを促したりもしている。