公益社団法人 鹿児島県薬剤師会

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睡眠薬処⽅量が4割減-愛知県⼩牧市の診療所、薬剤師の診察前⾯談で適正化

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2018年7⽉2⽇の 薬事⽇報に、「睡眠薬処⽅量が4割減-愛知県⼩牧市の診療所、薬剤師の診察前⾯談で適正化」との記事が載っていた。

愛知県小牧市にある「平松内科・呼吸器内科⼩牧ぜんそく睡眠リハビリクリニック」の5年間にわたる研究。

「プロトコールに基づく薬物治療管理」(PBPM)を導⼊し、業務フローや薬剤師の担当業務を明⽂化し、薬剤師が医師の診察前に不眠を訴える患者に⾯談して詳しく話を聞き、適切な睡眠習慣を指導したりす、睡眠薬の適正使⽤を医師に提案したりすることによって睡眠薬の処⽅量が⼤幅に減少することが示された。

2013年1⽉から17年12⽉までの5年間に処⽅された睡眠薬の処⽅量は、受診患者数は段階的に増加する⼀⽅、17年の処⽅量は13年に⽐べて41.6%減少。

ベンゾジアゼピン受容体作動薬の処⽅量については、17年の処⽅量は、13年に⽐べて65.8%減少。

残念ながら、患者との面談は、院内の薬剤師が実施している。

さらに、院内の医師と薬剤師の協働ということで、より密に意思疎通できたり、お互いの職能理解などの理解(信頼)もより進んでいると考えられる。(今回の事例では、医師が独立開業する際に、病棟担当であった薬剤師を引き抜いていることから、なお、その可能性が高い)

果たして、院外処方の場合に同様の効果が見込めるかという点においては少々難しい面もある、薬剤師が積極的に薬物治療に係ることで、医薬品の適正使用に大きく貢献できる良いモデルとなり得る。

今回の記事には薬剤師の具体的な関与として次のようなことが記載されていた。

① 診察前に不眠を訴える患者や睡眠薬を常⽤している全ての患者を⾯談

② 初診の場合、不眠症なのか、無呼吸症候群の疑いはないかなど睡眠障害の要因や背景を評価。睡眠薬の要・不要を判断する。

③ 患者の話をよく聞いた上で個々に応じた適切な睡眠習慣を指導。(薬物治療は補助的な対処療法と位置づけている)

④ 睡眠薬が必要な場合、不眠のタイプに応じた最適の睡眠薬を選択し、医師に提案。

⑤ 睡眠薬服⽤中の患者に対して、可能な場合は同意を得て減薬に取り組む。

⑥ 患者の睡眠⽇誌をチェックし、薬の効果や副作⽤をモニタリングし、⽣活指導や認知⾏動療法を実施。その上で医師に減薬を提案する。