公益社団法人 鹿児島県薬剤師会

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県医師会に寄せられた薬に係る困った相談

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昨日、県庁で医療相談窓口担当者意見交換会が開催された。

昨日は、非常に蒸し暑かったが、県庁の空調はそれをさらに増悪するほどの酷さ。

省エネも大切だが、あれでは、庁内の仕事の効率も2-3割は、いや、それ以上に落ちている可能性がある(体力・気力の消耗に加えて残業などに繋がり、職員が疲弊する。悪循環が発生する可能性が十分考えられる)。

蒸し暑さと会議室の閉塞感(県庁の窓は、空気取り入れ口を小さく開けることができるが、基本的にはめ殺し。おまけに窓が小さい。落下事故などを防ぐ目的だと考えられるが、空気の流れなどを考えると決して好ましい構造とはなっていない。)のお陰で、昨日の会議は、要所要所で爆発してしまった。

例えば、医療相談は県民と医療機関の信頼性を築く上で大変重要といいつつ、これまでに重大な案件もなかったために医療安全推進協議会(医療相談窓口担当者意見交換会の上位に位置する会議。各団体の会長等が参加し、医療安全に係る取組等の方向性などを決める会議)が隔年開催になったとの報告には、あきれてしまった。

そこで、1つ爆発。

医療安全(医療機関との患者の信頼性の構築等を含む)に係る相談対応業務等をその程度にしか考えていないとは、彼らの意識の低さが、なんとも情けない。

他の会議でも、参加者にそういった空気(他人ごと感)が読み取れることもあり、それを思えば、さもありなんというところ・・・

帰りがけのエレベーターの中、県医師会の担当者の方々と空調の酷さについて話していたら、たまたま乗り合わしていた県庁女性職員が、「そうでしょ!」といった感じで頷きながら笑みを浮かべていた。

閑話休題

会議では、それぞれの団体が受け付けた相談対応困難事例も報告された。

県医師会からの報告に、薬に係る次の2事例(資料原文のまま)があげられていた。

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(薬の説明について)

相談者: 最近になって目立ってきた病院のある対応について。自分の考えがおかしいのだろうか。長年処方されている薬なのに、看護師から毎回説明がある。もうわかっているので、いちいち説明はいらない。また、他の患者に聞こえないように、こえの大きさや場所に気を使ってほしい。

対応:患者さんとしては、せめて小声で話す、他人に聞こえない場所に移動するなどの配慮が欲しいと思う。ご意見として、医療連携室や事務を統括している事務長にお伝えしてみては如何。医療機関としては、患者と協力して治療するという考えから、また、「いつものことだから」とせず、間違いを防止する意味から、毎回説明しているのではないか。

相談者:薬を説明するときも、一緒に数まで確認したり、患者の呼び出しも、名前ではなく番号で呼ぶなど、個人情報について意識の高い病院だと思う。自分の考えがおかしくないとわかって安心した。

 

(薬の返品について)

相談者:打撲と風邪気味で病院を受診し、薬が9種類処方された。知人から返品を受けてくれるのではないか(薬局ではダメだが、病院ならできる)と聞き、こんなに必要ないと返品してきた。薬は返したが、返金はなかった。これで、正しいのか。

対応:返品という言葉は、品物の販売のように、交換するときや購入取り消しで返金を受ける時の他、余剰品を廃棄委託するときにつかわれることがある。一度処方された薬は、廃棄のために預かることはできるが、返金のための返品はできない。医師が診断しての処方であり、薬の量で必要不要を判断することはできない。今回は、薬局で購入する際、薬剤師にお尋ねされたらよかったと思う。

相談者:患者も賢くならないといけない。

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薬局でも同様な事例は、しばしば発生している。

対面による説明の意義に対する患者の理解。

画一的な説明にしないために、どこにポイントを置き説明するのかの工夫。

患者に対する配慮。

総合感冒薬+解熱剤+去痰剤+鎮咳剤+(抗菌薬+整腸剤)+etc. 数種類の処方・・・

保険医療の仕組みの不理解。

未使用医薬品の返品・・・

通常の商品と異なる扱い・・・

医療提供者側の説明や工夫も必要だが、患者側の医療の限界・仕組みなどに関する理解なども必須。

まずは、医療の現場で、相互の理解が成立しなければ、いつまでたってもこの手の相談(クレーム)はなくならない。