公益社団法人 鹿児島県薬剤師会

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岐阜PhDLS(災害薬事研修会)『医者からの一言』

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<ちょっと一息>

5月26日(土)、27日(日)、岐阜薬科大学で開催されたPhDLS研修会に世話人(講師)として参加した。(自腹)

岐阜薬科大学は、JR岐阜駅前/名鉄岐阜駅前からバスでおおよそ30分(320円)のところにある。

帰りは急いでいたのでタクシーを利用(3300円)。

(写真:名鉄岐阜駅前にあった16銀行のポスター。鵜飼の季節だが、今回は、残念ながら楽しむことはできなかった。)

岐阜薬科大学は、岐阜大学医学部キャンパスの一画を借り受けて建っている。

医学部とは渡り廊下で繋がっている。

(写真:岐阜薬科大学校舎、岐阜大医学部とつながる渡り廊下)

(写真:岐阜薬科大学 注射混合実習室のドラフト)

岐阜薬科大学には、モバイルファーマシー(市が所有するので、市の公用車。今のところ運転できるのは、岐阜市の職員と岐阜県薬剤師会の会員とか)がある。

宮城のモバイルファーマシーの設計をベースに、トイレを屋外設置にする等の改良が加えられている。

 

(写真:岐阜薬科大学のモバイルファーマシー)

(写真:トイレは車外に設置、搭載されている調剤棚)

(写真:モバイルファーマシー内の設備 注射混合用チャンバー、電子秤とデータ記録用パソコン、分包機、衛星電話など)

岐阜県は、南海トラフ地震が発生した際には、後方支援県となることなどもあり、災害薬事コーディネーターが既に設置されている。

また、災害医療支援に関しての薬剤師の関心も高いようで、PhDLSプロバイダーコース定員36名に対して倍以上の人から受講希望が寄せられたとのこと。

PhDLS研修会には、岐阜薬科大学の学長がお見えになり、挨拶。

(写真:26日 インストラクターコース、27日プロバイダーコース 岐阜薬科大学学長挨拶)

薬剤師の害支援体制に関して関心を寄せられている岐阜市の議員の方もオブザーバーとして来られていた。

参加者は、皆、真剣に研修課題に取り組んでいた。

(写真:グループ討議に沸く会場の様子、エマルゴ人形を使った救護所シミュレーションの様子)

研修会プログラムには、薬事トリアージが盛り込まれている。

薬事トリアージは、避難所に避難している人などを対象に、医療支援班と協働して、薬剤師が症状などで医師への受診、お薬手帳を利用した調剤、OTC対応などの振り分けを行う。

薬事トリアージは、薬剤師がかいにゅうすることで、医療支援班の負担を軽減することに加え、避難所の食事状況、衛生環境、感染症発生状況の把握と薬学的評価などを目的とする。

その手順は、一応、フローチャート化されている。

研修会では、それをベースに実技研修を実施する。

(写真:薬事トリアージ実習 左側が受講生、右側が模擬患者。白熱のあまり思わず乗り出してしまう受講生(医師、どこかで観たことがあるような・・・そうだ国際緊急援助隊中級研修で見かけた顔だ!)

さて、ここで、インストラクター、講師、受講者として参加している、医師から、しばしば、苦言ともとれる次のような意見が聞かれる。

「どんな状態の患者に対しても、全て同じようにフローチャートに従った対応をしがちだ。フィジカルアセスメントも、血圧、酸素飽和度、脈拍数、体温、聴診、全て実施しようとする・・・」

救急専門の医師からすると、実習時にみられる薬剤師の平均定な対応は、どうやら、歯痒いらしい。

確かに、受講生である医師のフィジカルアセスメントをみていると、患者の様子や的確な問診から必要な情報を素早く集め、即決している。

必要と判断すれば、フローチャートにない項目も瞬時にチェックしている。

結果、フローチャートから平気で逸脱することになるが、最終判断は正しい(しかし、実技テストの採点項目を満たさないこともあり、及第点を満たさないこともある)。

フィジカルアセスメントに慣れていない、薬剤師のそれとは大きく異なる。

そんな、彼らからすると、フローチャートに従おうとする、不慣れでまじめな薬剤師の姿(実技テストの採点項目をほぼ満たすので及第点となる)が歯痒いということになる。

この辺りは、やはり、経験を積み、臨機応変さを体得、解決していくしかない。

実際、大勢の患者が押し寄せる災害現場では、かなりのスピードでの薬事トリアージが求められる。

さらに、薬剤師としての決断と責任も求められることになる

研修会の最中に鳴り響く緊急速報が、一層の緊張感を醸し出す・・・

27日は、総合防災訓練のため、エリア緊急速報(訓練)が流された。

携帯電話のキャリアーによって、緊急速報の届くスピードが違っていた。

DOCOMOが一番早かった。

 

<番外編>

PhDLS研修会の特徴、全国から集まった参加者が、各地のお土産を持参。

また、開催地ごとに特色のある弁当もある。

楽しみの一つ。

  

(写真:木曽のお土産(ほうば巻)と三重県のお土産(草もち)、昼食のローカーボン弁当、こんにゃくときのこの隙間にわずかにお米が痕跡・・・)