公益社団法人 鹿児島県薬剤師会

新着情報

問79 生命倫理の四原則に含まれないのはどれか。(第104回薬剤師国家試験、2019/2)

新着情報

今年2月に実施された第104回薬剤師国家試験

生命倫理に関しての出題があった。

生命倫理については、改訂薬学教育モデル・コアカリキュラム基本事項(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/058/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2014/11/10/1352956_2.pdf)に薬剤師にも求められる倫理観に記載がある。

さて、実際に出題された問題は次の通り。

問79 生命倫理の四原則に含まれないものはどれか。1つ選べ。

1 善行原則

2 正義原則

3 自立尊重原則

4 優生原則

5 無危害原則

たとえ学習していなかったとしても、それぞれの言葉の意味するところは、字面からなんとなく想像がつく。

それからすると、1つだけ、異質のものが存在する。

しかし、薬剤師業務の進むべき方向が対人であれからには、改めて、それぞれの語句の意味を理解した上での行動が、いっそう求められることになってくる。

先生方、それぞれの意味を説明できますか??

日本薬剤師会学術大会への演題登録の際に倫理審査を受けていることが必須となったが、それも、薬剤師に求められる倫理観から。

**********************

(2)薬剤師に求められる倫理観

GIO 倫理的問題に配慮して主体的に行動するために、生命・医療に係る倫理観を身につけ、医療の担い手としての感性を養う。

【①生命倫理】

1. 生命の尊厳について、自らの言葉で説明できる。(知識・態度)
2. 生命倫理の諸原則(自律尊重、無危害、善行、正義等)について説明できる。
3. 生と死に関わる倫理的問題について討議し、自らの考えを述べる。(知識・態度)
4. 科学技術の進歩、社会情勢の変化に伴う生命観の変遷について概説できる。

【②医療倫理】

1. 医療倫理に関する規範(ジュネーブ宣言等)について概説できる。
2. 薬剤師が遵守すべき倫理規範(薬剤師綱領、薬剤師倫理規定等)について説明できる。
3. 医療の進歩に伴う倫理的問題について説明できる。

【③患者の権利】

1. 患者の価値観、人間性に配慮することの重要性を認識する。(態度)
2. 患者の基本的権利の内容(リスボン宣言等)について説明できる。
3. 患者の自己決定権とインフォームドコンセントの意義について説明できる。
4. 知り得た情報の守秘義務と患者等への情報提供の重要性を理解し、適切な取扱いができる。(知識・技能・態度)

【④研究倫理】

1. 臨床研究における倫理規範(ヘルシンキ宣言等)について説明できる。
2. 「ヒトを対象とする研究において遵守すべき倫理指針」について概説できる。
3. 正義性、社会性、誠実性に配慮し、法規範を遵守して研究に取り組む。(態度)