公益社団法人 鹿児島県薬剤師会

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向精神薬の多剤投与の種類はどのように数えるのか?

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病院から向精神薬の多剤投与に関して、種類数をどのように数えるかとの質問が寄せられたとの相談があった。

病院が使用しているレセコンが、同一成分の効かう違いもそれぞれ1種類として計算してしまうことに端を発した質問の様だった。

薬局が、調剤の1剤の考え方に基づいて、同一成分の規格違いは1種類と考えるのではないかと回答したところ、その「根拠」を示せということになったらしい。

病院(医師)から薬剤師への質問に関しては、「根拠」を求められることが往々にしてある。

「根拠」を示すことができれば、彼らは、とても素直(?)に納得してくれ、しかも、薬剤師の評価が高まる。

ところで、改めて種類をどのように数えるかと問われると、はたと悩んでしまう。

Q&Aにでもなっていれば、手っ取り早く片付けることができるが・・・

さて、そのようなときは、元告示・元通知に立ち返ってみるとよい(かもしれない)

時間があるときにじっくりと目を通すと、言葉の一つ一つに回答の糸口を見つけることができるかもしれない。

それでは、問題の部分を平成30年度診療報酬改定資料から抜き出してみる。(以下参照)

さて、「一般名で計算する」とは・・・その他の医薬品の多剤処方の際との種類数の数え方と明らかに異なる・・・

診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示) <第2章> 投薬
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=519657&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196292.pdf

第5部 投薬

区分
F100 処方料

1 3種類以上の抗不安薬、3種類以上の睡眠薬、3種類以上の抗うつ薬、3種類以上の抗精神病薬又は4種類以上の抗不安薬及び睡眠薬の投薬(臨時の投薬等のもの及び3種類の抗うつ薬又は3種類の抗精神病薬を患者の病状等によりやむを得ず投与するものを除く。)を行った場合 18点

区分
F400 処方箋料

1 3種類以上の抗不安薬、3種類以上の睡眠薬、3種類以上の抗うつ薬、3種類以上の抗精神病薬又は4種類以上の抗不安薬及び睡眠薬の投薬(臨時の投薬等のもの及び3種類の抗うつ薬又は3種類の抗精神病薬を患者の病状等によりやむを得ず投与するものを除く。)を行った場合 28点

診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)別添1 医科点数
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=553717&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000205632.pdf

第2節 処方料
F100 処方料

(3) 「1」について
抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬及び抗精神病薬の種類数は一般名で計算する。また、抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬及び抗精神病薬の種類については、別紙 36 を参考にすること。

第5節 処方箋料
F400 処方箋料

(5) 「1」については、区分番号「F100」処方料の(3)に準じるものとする。

別紙36
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=553715&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000205630.pdf

抗不安薬 睡眠薬 抗うつ薬 抗精神病薬

(〇印は非定型抗精神病薬、

△は持続性抗精神病注射薬剤)

オキサゾラム

クロキサゾラム

クロラゼプ酸二カリウム

ジアゼパム

フルジアゼパム

ブロマゼパム

メダゼパム

ロラゼパム

アルプラゾラム

フルタゾラム

メキサゾラム

トフィソパム

フルトプラゼパム

クロルジアゼポキシド

ロフラゼプ酸エチル

タンドスピロンクエン酸塩

ヒドロキシジン塩酸塩

クロチアゼパム

ヒドロキシジンパモ酸塩

エチゾラム

ガンマオリザノール

ブロモバレリル尿素

抱水クロラール

エスタゾラム

フルラゼパム塩酸塩

ニトラゼパム

ニメタゼパム

ハロキサゾラム

トリアゾラム

フルニトラゼパム

ブロチゾラム

ロルメタゼパム

クアゼパム

アモバルビタール

バルビタール

フェノバルビタール

フェノバルビタールナトリウム

ペントバルビタールカルシウム

トリクロホスナトリウム

リルマザホン塩酸塩水和物

ゾピクロン

ゾルピデム酒石酸塩

エスゾピクロン

ラメルテオン

スボレキサント

クロミプラミン塩酸塩

ロフェプラミン塩酸塩

トリミプラミンマレイン酸塩

イミプラミン塩酸塩

アモキサピン

アミトリプチリン塩酸塩

ノルトリプチリン塩酸塩

マプロチリン塩酸塩

ペモリン

ドスレピン塩酸塩

ミアンセリン塩酸塩

セチプチリンマレイン酸塩

トラゾドン塩酸塩

フルボキサミンマレイン酸塩

ミルナシプラン塩酸塩

パロキセチン塩酸塩水和物

塩酸セルトラリン

ミルタザピン

デュロキセチン塩酸塩

エスシタロプラムシュウ酸塩

ベンラファキシン塩酸塩

<定型薬>

クロルプロマジン塩酸塩

クロルプロマジンフェノールフタリン酸塩

ペルフェナジンフェンジゾ酸塩

ペルフェナジン

ペルフェナジンマレイン酸塩

プロペリシアジン

フルフェナジンマレイン酸塩

プロクロルペラジンマレイン酸塩

レボメプロマジンマレイン酸塩

ピパンペロン塩酸塩

オキシペルチン

スピペロン

スルピリド

ハロペリドール

ピモジド

ゾテピン

チミペロン

ブロムペリドール

クロカプラミン塩酸塩水和物

スルトプリド塩酸塩

モサプラミン塩酸塩

ネモナプリド

レセルピン

△ ハロペリドールデカン酸エステル

△ フルフェナジンデカン酸エステル

<非定型薬>

〇△リスペリドン

〇 クエチアピンフマル酸塩

〇 ペロスピロン塩酸塩水和物(ペロスピロン塩酸塩)

〇 オランザピン

〇△アリピプラゾール(アリピプラゾール水和物)

〇 ブロナンセリン

〇 クロザピン

〇 パリペリドン

〇△パリペリドンパルミチン酸エステル

〇 アセナピンマレイン酸塩

別紙36の2

抗精神病薬一般名 クロルプロマジン100mg相当量
クロルプロマジン塩酸塩

クロルプロマジンフェノールフタリン酸塩

ペルフェナジンフェンジゾ酸塩

ペルフェナジン

ペルフェナジンマレイン酸塩

プロペリシアジン

フルフェナジンマレイン酸塩

プロクロルペラジンマレイン酸塩

レボメプロマジンマレイン酸塩

ピパンペロン塩酸塩

オキシペルチン

スピペロン

スルピリド

ハロペリドール

ピモジド

ゾテピン

チミペロン

ブロムペリドール

クロカプラミン塩酸塩水和物

スルトプリド塩酸塩

モサプラミン塩酸塩

ネモナプリド

レセルピン

リスペリドン

クエチアピンフマル酸塩

ペロスピロン塩酸塩水和物(ペロスピロン塩酸塩)

オランザピン

アリピプラゾール

ブロナンセリン

クロザピン

パリペリドン

パリペリドンパルミチン酸エステル

100 mg

100 mg

10 mg

10 mg

10 mg

20 mg

2 mg

15 mg

100 mg

200 mg

80 mg

1 mg

200 mg

2 mg

4 mg

66 mg

1.3 mg

2 mg

40 mg

200 mg

33 mg

4.5 mg

0.15 mg

1 mg

66 mg

8 mg

 

2.5 mg

4 mg

4 mg

50 mg

1.5 mg

1.5 mg

 

****************************************
<Cf> (その他の薬の多剤投与)
第2節 処方料
F100 処方料

(4) 「2」において、処方料における内服薬の種類については、区分番号「F200」薬剤の「注3」における内服薬の種類と同様の取扱いとする。なお、当該処方に係る内服薬の投薬が6種類以下の場合又は外用薬、屯服薬のみの投薬の場合は「3」で算定する。

第5節 処方箋料
F400 処方箋料

(6) 「2」において、処方箋料における内服薬の種類については、区分番号「F200」薬剤の「注3」における内服薬の種類と同様の取扱いとする。なお、当該処方に係る内服薬の投薬が6種類以下の場合又は外用薬、屯服薬のみの投薬の場合は「3」で算定する。

第3節 薬剤料
F200 薬剤

(6) 「注3」の多剤投与の場合の算定

ア 「注3」の算定は、外来の場合に限り、1処方のうち、内服薬についてのみ対象とする。この場合の「種類」については、次のように計算する。なお、1処方とは処方料の算定単位となる処方をいう。

(イ) 錠剤、カプセル剤については、1銘柄ごとに1種類と計算する。
(ロ) 散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類と計算する。
(ハ) (ロ)の薬剤を混合して服薬できるよう調剤を行ったものについては、1種類とする。
(ニ) 薬剤料に掲げる所定単位当たりの薬価が 205 円以下の場合には、1種類とする。