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一般名マスタにメトホルミンMTがなくなったからと、一般名処方にMTと記載してくれなくなった。
「一般名マスタにメトホルミンMTがなくなったからと、病院が一般名処方にMTと記載してくれなくなった。」
との相談が寄せられた。
調剤する際に、どちらを調剤すればよいか困ってしまうとのことだった。
『処方箋に記載する一般名処方の標準的な記載(一般名処方マスタ)について(平成30年4月1日適用)』(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shohosen_180401.html)をみると表1のように記載されている。
メトホルミン塩酸塩錠500㎎についてはMTのみ記載され、250㎎に関してはGLのみが記載されている。
これは、H28年度の一般名処方マスタ(平成30年3月31日まで有効分 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shohosen_160401.html)でも同様である。
なお、H26年度の一般名処方マスタ(平成26年3月31日まで有効分 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shohosen.html)には、メトホルミン塩酸塩錠500㎎:MTのみが記載されている(メトホルミン塩酸塩錠250㎎:MTは、H26年度改定分から削除となった。先発医薬品と薬価が同額または高価なものとして、一般名処方加算の対象から外れた)。
さて、病院の言う、「一般名処方マスタにメトホルミンMTの記載がなくなった」とは、どういう意味だろうか?
それはさておき、メトホルミンについては、効果効能は全ての製品について同じである。
異なるのは、MTが付されたものとそうでないものの用量である。
750㎎/日までは、MTが付されていようが、付されてなかろうか、いずれの製品も利用可能である。
750㎎/日を超えた場合は、MTが付された製品(メトグルコ相当)のみが使用可能である。
従って、例えば処方箋の一般名にMTの記載がなかったとしても、1日用量が750mgを超えているか、超えていないかで、使用できる製品を判断できる。
一方、薬価収載医薬品(http://www.mhlw.go.jp/topics/2018/04/tp20180401-01.htmlhttp://www.mhlw.go.jp/topics/2018/04/tp20180401-01.html、表2)を見ると、グリコラン錠250mg、メトホルミン塩酸塩錠250mg「トーワ」、メトホルミン塩酸塩錠250mg「SN」の3銘柄のみが、一般名処方した場合にGL表記が必要なものである。
それ以外は、すべてMT扱いとなっている。
750mgを超えた用量の設定がない製品は、いずれ、なくなる傾向にあるのだろう。
それらを考慮すれば、250mg規格のものをMTに該当するもので在庫しておけば、メトホルミンの一般名処方に仮にMTと記載されていなくても、どのような場合にも対応できるはず・・・
(250mg規格のものをMT相当にすることで、後発医薬品の調剤率に響いてくることがあるかもしれませんが)
表1. 一般名処方マスタ | ||||||||
平成30年4月1日適用 | ||||||||
区分 | 一般名
コード |
一般名処方の
標準的な記載 |
成分名 | 規格 | 一般名
処方 加算対象 |
例外
コード |
同一剤形・
規格内の 最低薬価 |
備考 |
内用薬 | 3962002
F1ZZZ |
【般】メトホルミン塩酸塩錠250mg:GL | メトホルミン塩酸塩 | 250mg
1錠 |
加算1 | 9.60 | ||
内用薬 | 3962002
F3ZZZ |
【般】メトホルミン塩酸塩錠500mg:MT | メトホルミン塩酸塩 | 500mg
1錠 |
加算1,2 | 9.90 | 先発品はメトグルコ錠500mg |
表2. 薬価基準収載品目リスト
品名 | メーカー名 | 診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品 | 先発医薬品 | 同一剤形・規格の後発医薬品がある先発医薬品 | 薬価 |
グリコラン錠250mg | 日本新薬 | 9.60 | |||
メトホルミン塩酸塩錠250mg「トーワ」 | 東和薬品 | 後発品 | 9.60 | ||
メトホルミン塩酸塩錠250mg「SN」 | シオノケミカル | 後発品 | 9.60 | ||
メトグルコ錠250mg | 大日本住友製薬 | 先発品 | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「DSEP」 | 第一三共エスファ | ★ | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「JG」 | 日本ジェネリック | ★ | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「TCK」 | 辰巳化学 | ★ | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「TE」 | トーアエイヨー | ★ | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「三和」 | 三和化学研究所 | ★ | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「トーワ」 | 東和薬品 | ★ | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「日医工」 | 日医工 | ★ | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「ニプロ」 | ニプロ | ★ | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「ファイザー」 | ファイザー | ★ | 9.90 | ||
メトグルコ錠500mg | 大日本住友製薬 | 先発品 | ○ | 15.40 | |
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「DSEP」 | 第一三共エスファ | 後発品 | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「JG」 | 日本ジェネリック | 後発品 | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「TCK」 | 辰巳化学 | 後発品 | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「TE」 | トーアエイヨー | 後発品 | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「三和」 | 三和化学研究所 | 後発品 | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「ニプロ」 | ニプロ | 後発品 | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「ファイザー」 | ファイザー | 後発品 | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「トーワ」 | 東和薬品 | 後発品 | 9.90 | ||
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「日医工」 | 日医工 | 後発品 | 9.90 |
★ 先発医薬品と薬価が同額又は高いもの
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<参考>
A )メトホルミン塩酸塩錠250㎎MT/500㎎MT (メトグルコ錠250mg/メトグルコ錠500mg)添付文書の記載
効能又は効果
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
(1)食事療法・運動療法のみ
(2)食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
用法及び用量
通常、成人にはメトホルミン塩酸塩として1日500mgより開始し、1日2〜3回に分割して食直前又は食後に経口投与する。維持量は効果を観察しながら決めるが、通常1日750〜1,500mgとする。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最高投与量は2,250mgまでとする。
通常、10歳以上の小児にはメトホルミン塩酸塩として1日500mgより開始し、1日2〜3回に分割して食直前又は食後に経口投与する。維持量は効果を観察しながら決めるが、通常1日500〜1,500mgとする。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最高投与量は2,000mgまでとする。
B) メトホルミン塩酸塩錠250㎎GL (グリコラン錠250mg)添付文書の記載
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
(1)食事療法・運動療法のみ
(2)食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
用法及び用量
通常、成人にはメトホルミン塩酸塩として1日量500mgより開始し、1日2〜3回食後に分割経口投与する。維持量は効果を観察しながら決めるが、1日最高投与量は750mgとする。
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* 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)
別表第1(医科点数表)
<第2章>
第5部 投薬
区分
F400 処方箋料
7 薬剤の一般的名称を記載する処方箋を交付した場合は、当該処方箋の内容に応じ、次に掲げる点数を処方箋の交付1回につきそれぞれ所定点数に加算する。
イ 一般名処方加算1 6点
ロ 一般名処方加算2 4点
* 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)
別添1
医科診療報酬点数表に関する事項
第5節 処方箋料
F400 処方箋料
(12) 「注7」に規定する一般名処方加算は、後発医薬品のある医薬品について、薬価基準に収載されている品名に代えて、一般的名称に剤形及び含量を付加した記載(以下「一般名処方」という。)による処方箋を交付した場合に限り算定できるものであり、交付した処方箋に含まれる医薬品のうち、後発医薬品のある全ての医薬品(2品目以上の場合に限る。)が一般名処方されている場合には一般名処方加算1を、1品目でも一般名処方されたものが含まれている場合には一般名処方加算2を、処方箋の交付1回につきそれぞれ加算する。
なお、一般名処方とは、単に医師が先発医薬品か後発医薬品かといった個別の銘柄にこだわらずに処方を行っているものである。
また、一般名処方を行った場合の(6)の取扱いにおいて、「種類」の計算に当たっては、該当する医薬品の薬価のうち最も低いものの薬価とみなすものとする。
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一般名処方加算2:後発医薬品のある先発医薬品(昭和42年以前に承認・薬価収載された医薬品のうち、価格差のある後発品があることから「先発医薬品に準じたもの」とみなされるものを含む。)が対象。
一般名処方加算1:一般名処方加算2の対象に加えて、診療報酬上の評価の対象となる後発医薬品の全てが対象。