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薬学的観点から必要と認める事項の範囲
先週、重複投薬・相互作用等防止加算について、何件かの問い合わせが寄せられた。
同加算は、複数の異なる保険医療機関で処方箋を交付された患者の場合に限らず、
1)併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む)
2)併用薬、飲食物などとの相互作用
3)残薬
4)そのほか薬学的観点から必要と認める事項について
処方医に疑義照会を行い、処方変更が行われた場合に算定できる。
なお、薬学的観点に基づく処方変更であれば、追加や延長を問わず算定可能になっている。
4)に関しては、保険調剤Q&A(日本薬剤師会編 じほう)などに、次のように記載されている。
主なケースとして、例えば過去の副作用やアレルギー歴に係る疑義照会などが挙げられるが、この他にも算定対象地して認められるケースはいくつか考えられる。
処方医による単なる事務的な記載ミスに関する疑義照会は算定対象として想定されていないが、薬剤師が「薬学的観点から必要」と認めた事項について疑義照会を行い、その結果として処方変更が行われたのであれば、算定対象になり得ると理解して差し支えない。
問い合わせは、『薬剤師が「薬学的観点から必要」と認めた事項』に関して、このような場合は、“算定できるか”といくつかの事例を挙げたものだった。
『薬剤師が「薬学的観点から必要」と認めた事項』に関しては、個々の薬剤師によってその判断基準に差がある。
また、審査側(保険者を含む)が、どのように判断するかについても、おそらく、保険者毎に差異があると思われる。
算定できるかと問われた場合、明確に算定可、算定不可と回答できない。
ましてや、私の「少々ひねくれた」薬学的観点判断基準からすれば、「それは違うでしょ!」的な事例もないわけではない。
かといって、それは算定不可ですとは明言できない。
それこそ、最終的に、算定するかしないかは、それぞれの薬剤師の判断にゆだねられる。
(薬剤師以外の医事職員等が問い合わせてくる場合もあるが、算定に関する最終的な判断は、薬剤師が行うのであるから、それも、個人的にはしっくりこない。算定に薬剤師として『責任』を持ってほしい)
トライ&エラーで、そのうち、ある程度の範囲内に収束するかもしれない。
とにかく、重複投薬・相互作用等防止加算の算定は、薬剤師が「薬学的観点から必要」と認めたと言える自信と責任がかかっていることをお忘れなく。
重複投薬・相互作用等防止加算という名称から考えると、医薬品使用者に発生するかももしれない医薬品が原因となる不都合な事象(副作用の発現等)を回避するために薬剤師が判断し対応したことを評価した加算と言える。
それを満たし得るか、否か。
その点を考えて判断することになる。のかな?