カラスウリ


学名:Trichosanthes cucumeroides (Ser.) Maxim. ex Franch. et Sav.
科名:ウリ科 カラスウリ属
用部:根、種子
生薬名:王瓜根、王瓜仁
用途:咳止め、天花粉
代表的な漢方薬:柴陥湯

説明文:
本州~沖縄の里山や藪、垣根などに自生するつる性の多年草。花は日が暮れてから開き、夜明け前には萎んでいる。名前はスズメウリより大きいとの意、或いは、秋に真っ赤に熟した実が冬になっても残っているのをカラスの食べ残しに見立てたという説がある。種子の形を結び文に例えて玉章(たまずさ)という別名も。また、特徴的な種子の形を打ち出の小槌や大黒様に見立てて財布に入れておく風習がある。塊根は王瓜根、種子は王瓜仁といい、鳩尾(みぞおち)の辺りから出るような咳に効果がある。カラスウリやキカラスウリから取った澱粉を天花粉と呼び、昔から汗疹や湿疹に、皮膚を乾燥させるために利用された。まだ青い果実は漬物や汁の実など食用になる。

薬草の詩:
家路を急ぐのかカラスがカアカアと鳴きながら、夕焼けの空を飛んで、います。横の竹やぶをふとみると、カラスウリの枯れたつるがからみつき、1 枚だけ残った葉は「落ちてたまるか」とでも言いたげにしがみつき、傍らにはツヤツヤと真っ赤に熟した実がブラブラとゆれています。
晩秋から初冬によく目にしますね。子供のころは、クソゴイといってこの笑を投げつけて遊びました。砕けると名前通りのような中身が飛び出してまいります。 (正)

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